痛みの分析と治療

初めての患者さんや新たな痛み発症の患者さんに、必ずしてもらうことがあります。それは痛み症状の背後で何が起きているのかという分析です。

 

「専門家じゃないんだから...」と言われる方が大半ですが、仮に癌などの難病だったら、どんな物なのか気になり調べるでしょうし、自分の飲んでいる薬について本で調べたりするでしょう。腰や膝等の痛みを、それらの物と比べて小さくて軽く、そこまで必死になる必要はないものだと思っていると、治りはかなり遅くなります。

風邪をひけば風邪薬を、腹痛なら腹痛薬を、自分で症状を分析し症状にあった行為を取る。当たり前のようににしておられる方は多いでしょう。それにもかかわらず、腰や膝等の体感痛に対しては、年齢や体重、変形などによるマニュアル的な説明で納得している方が非常に多いのです。

 

膝痛の場合、ほとんどの方が「変形しているので」と言われます。しかし疑問がわきませんか?では痛くなかった何日か前は変形しておらず、その 後急速に変形したのか?と。しかも、もしも変形のせいで痛いのなら、形を元に戻せなければこの先ずっと痛みを我慢していかなくてはいけません。そんな診断 に納得できますか?「体重のせいで痛い」と言われる方もいますが、体重は軽いのに膝が痛い方は周りにいませんか?「歳がいってるから」。これはタイムマ シーンでもあれば何とかなるでしょうが、つまりは、治すのは無理です我慢しなさいってことになりますね。やることは一つ:痛み止めの注射。納得できますか?

 

階段を降りる時は痛く無いけど、登る時には痛い。降りるも登るも同じ様に膝を曲げ伸ばしするはずなのに、痛みの出かたが異なる。もしも変形が理由であれば、曲げ伸ばしの行為だけで差がでるのは疑問です。でも、力のかかり方を考えたら...?

こうやって何をどうしないといけないかを考えて、様々な患者さんの治療方向と方法を考え、日々の小さな行動を変えていくことが大切なのです。

 

痛みを治さないといけない理由は、本人が辛いからというだけのことではないと私は思います。家族や周りの人達、環境のためにも必要なのではないでしょうか。家族や仲良しグループでの旅行を全員で行ける様になるまで延期しなくてはならない、もう遠出が出来ない、そういうことならないよう、自分以外 の人達のためにもがんばって治していきましょう。